真説・竹取物語
映画カテゴリでまた書くことになるとは、
「風立ちぬ」の話を書く時は思ってなかったのですが・・・
- アーティスト: 久石譲,東京交響楽団
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- 発売日: 2013/11/20
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・・・正直、あまりにツボに入りすぎて、
どう書いたものかわからないのですが・・・(´-ω-)
※後半、軽くネタバレっぽいものが出てきます
「竹取物語」にネタバレも何もないのですが、
「ここから危険」と書いてある以降はご注意を
そもそも、「竹取物語」を知らない人は相当希有な存在でしょう
少なくとも「竹から産まれた美しい姫が、求婚をかわしつつ、
最終的に月に帰ってしまう話」というあらすじは知っているはずです *1
しかし、冷静に考えれば、以下のような疑問が湧いてきます
- 姫が月で犯した「罪」とは何か?
- 彼女は罪人で、贖罪のために地上におとされた存在
- 姫はなぜ求婚を全て拒んだのか?
- 「月に帰ってしまうことを知っていたから」も答えの一つですが・・・
- そもそも、なぜ姫は月に帰らないといけないのか?
- 刑期が終了したから、とも考えられますが・・・
実際、私はこれらの「疑問」が鍵だろうと、
見る前に別なBlogで書いています
CMの映像だけでも釘付けになっていたくらいなので、
あの6分間の映像もそれはそれは素晴らしく、
やっぱり早急に見にいかないといけないな・・・と( ゚д゚)o彡゚考えてみれば、「竹取物語」の概要はよく知ってますが、
詳細となるとわりと曖昧なところが多いですよね貴公子それぞれの冒険譚とか、
月からの便りがくるあたりとか、帰還のシーンとか、
あとはなにより、「姫は月で何をやらかしたのか?」とかそもそも姫は「罪人」であり、
その贖罪のために地球に「降りてきた」わけですが、
単に「汚れた場所で暮らすこと」だけが「贖罪」だったのでしょうか?そう、「汚れた場所」だからこそ帰るのに「あれ」が必要だったのですが、
このあたりが今回の映画の鍵なんじゃないかと、
あの6分間の映像を見て思ったんですよね・・・(´-ω-)あえて「かぐや姫の物語」と主観的なタイトルをつけたりとか、
http://parrot.blog21.fc2.com/blog-entry-3156.html
あの主題歌の内容とか、いろいろ考える余地はあるのですが、
とにかく近いうちに見にいってきます
たしかに、これらの「疑問」を味付けに、
話がアレンジされてはいるのですが
私の予測はいい意味で裏切られます
今、この記事を書くまで公式サイトを一切見ておらず、
予告編の内容から想像してあれを書いたのですが、
実は監督自身が「疑問」について書いています
でも、それすらもまだ本質ではなく、この映画は全てにおいて、
「姫を魅力的な女性として描くこと」に全力を注いでいます
姫は「美人」だし、「才能」もあります
でも、それ以上に「かわいらしく」、「魅力的」です
それがこの映画の鍵であり、全てです
CMにも出てくる「桜の下ではしゃぐシーン」、
あれを見た時に釘付けになったわけですよ
あれはあまりに魅力的すぎました(*゚∀゚)=3
あれは端的な例ですが、赤ちゃんのかわいらしさとか、
髪を結う仕草のさりげない美しさとか、
一つ一つの所作がとにかく「魅力的」すぎます *2
だからこそ、そこまで姫に入れ込んでしまうからこそ、
後半の展開は残酷で見ていてきついものがあります(´-ω-)
貴公子達と対峙するシーンで、
姫がぐっとこらえているシーンとか、
見ていて「うわぁぁぁ」と思いましたし
そろそろ軽いネタバレに入るので、
いったんまとめを書いておきますが、
迷っているならぜひ見てください
このレベルのアニメがこれから出てくるのか、
正直わからないと思わせるレベルの完成度です
ぶっちゃけ、個人的には「宮崎駿>高畑勲」のイメージでしたが、
この映画で一気に覆った気がします
それほど強く、心に響く名作だったと思います(`・ω・´)
※ここから危険
この映画を端的に一言で表すなら・・・
男達のくだらない虚栄心や誤った幸福観に振り回された結果、
一人の女性が不幸になる話限界まで追い込まれるが、
それを乗り越えようとする話
(2013/11/28修正)
・・・だと思います
貴公子のくだりとか、帝がやってくるシーンもそうですが、
とにかく翁、こいつが全ての元凶です(ノ゚Д゚)ノ彡┻━┻
うぉああああああぁっぁあぁじじいぃいぃぃじじいぃぃぃぃてめえがぁぁぁっぁおまえがぁぁぁぁぁうおぁああああああああ(ノ゚Д゚)ノ彡┻━┻
— ぱろっと (@parrot_studio) 2013, 11月 26
地井さんの演技はパーフェクトでしたよ だからこそ、全力で殴りたくなったщ(゚Д゚щ)
— ぱろっと (@parrot_studio) 2013, 11月 26
先ほども書いたように、姫の「魅力」は外見とか才能とか、
そういうところにはありません
にもかかわらず、よってくる男は姫の「外側」しか見てないし、
翁は権力者に嫁がせることが姫の幸せと信じて疑いません *3
彼女はそんなことを望んでいないのに(´・ω・`)
ある意味おばあさんだけが理解者として、
姫のフォローをしてくれるわけですが・・・
姫は自分のわがままを通すため、稚拙な一計を案じます
しかし、それが思いもよらない結果を招いたため、
今度は命がけで「反逆」を企てます
それすらも通らないと悟った時に、
姫は「取り返しのつかないミス」を犯します
それがなんというか、こう・・・不憫で(´;ω;`)
どこまでいっても、この映画は「竹取物語」であり、
月に帰るまでは既定路線です
しかし、そこにいたるまでの過程を、
姫の心情を織り込みながら、恐ろしいほど丁寧に、
描いているのがこの映画なのです
だからこそ、この映画は「竹取物語」ではないのです
「かぐや姫の物語」なのです
で、最後にあの主題歌ですよ
あの歌詞はパーフェクトすぎて、
映画館で涙をこらえるのにえらい苦労しました・・・
もうね・・・エンドロールであの主題歌が流れるとね・・・泣くしかないんだけどね・・・泣くのもあれだから必死こらえて、終わって立ち上がったら鼻から水が流れたよね・・・ もうね、私の負け(´・ω・`)
— ぱろっと (@parrot_studio) 2013, 11月 26
なんというか、「風立ちぬ」もよかったし、「ひこうき雲」を聞くだけでぐっとくるけど、「かぐや姫の物語」はツボの入り方がもう三段くらい上というか、主題歌のタイトルだけでぐっとくるし、曲を聴くと泣くしかないね(´;ω;`)
— ぱろっと (@parrot_studio) 2013, 11月 26
ストーリーもそうですが、とにかく背景とか、
平安時代の風俗とか、そういうのを丁寧に、
それこそ「それが当たり前であるかのように」描いているのもポイントです
細かい風俗的な表現もよくできてたよね・・・ さりげなく帝が「椅子」に座ってるとか、テーブルとか屏風が中国っぽいとかさ・・・ ああいうの、「暴れん坊少納言」を読んでなかったらなんとも思わなかったかもしれないけど、あれ結構大事な演出だよね・・・(´-ω-)
— ぱろっと (@parrot_studio) 2013, 11月 26
というか、それこそ「暴れん坊少納言」とか「千歳ヲチコチ」とか、あの辺が全力でツボの私はそりゃ刺さるよね・・・はぁぁぁ・・・(´-ω-)
— ぱろっと (@parrot_studio) 2013, 11月 26
「千歳ヲチコチ」については以前書きましたが、
「暴れん坊少納言」についても相当にツボで、
手持ちのBlogそれぞれで書いてしまったので、このBlogで何を書くのか困るくらいで(´-ω-)
ちなみに、「椅子」に関する解説はこちらにあるのでぜひ
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あと、ここまでさんざん「姫」について書いてしまいましたが、
他の登場人物もとにかく魅力的です
翁もイライラしましたが、あれはあれでかわいいのも事実というか・・・
特に個人的にツボだったのが、姫の側女というか、
公式サイトの記述だと「女童」でしょうか
とにかく彼女のコミカルな動きが完全にツボでした( ゚д゚)o彡゚
なんだかんだで重要なシーンには全て絡んでましたし、
最後の最後でも重要な役回りを演じていました
ああいうキャラは絶対に必須でしょう
正直、どこまで書いても終わりがないので、
そろそろ締めたいと思いますが、
公式サイトに書いてあるこの言葉で終わりたいと思います
"この世は生きるに値する"
「風立ちぬ」よりもはるかに強く、
このテーマが「刺さった」映画でした
<追記>
昨年亡くなった地井さんが、「翁」として出演できているのは、
公式サイトにもある通り、この映画は音声を先に収録し、
それに絵を合わせる、という手法を使っているからです
Twitterにも書いた通り、地井さんの演技は完璧でした
やはり惜しい人を亡くしましたね・・・(´・ω・`)
<追記2>
ちょっとしたきっかけでこういうのを書いたのですが・・・
・・・これはこの話にも言える気がします
非リア充の人が強制的にリア充の社交場に投げ込まれ、
望まない形でちやほやされてイライラし、
その「逃げ場」がなくなった時に爆発したんだろうな・・・と(´・ω・`)
<追記3>
追記2を書いたところで気づきました
いや、公式HPに書いてはあったのですが、
やっと全部「見えた」というか・・・
あーーーー今やっと腑に落ちた やっぱり「かぐや姫の物語」は「ハイジを竹取物語の文脈で作り直した映画」なんだ そう考えると全部説明がつく そうか、そういうことか・・・(´-ω-)
— ぱろっと (@parrot_studio) 2013, 11月 28
そうだよ、完全に「まんま」やん ペーターもロッテンマイヤーもいたのになぜ気づかなかったщ(゚Д゚щ) というか、ペーターが必要だったんだよ、あれ そういうことか・・・(`・ω・´)
— ぱろっと (@parrot_studio) 2013, 11月 28